ショートロープで短い岩稜を越え、写真左の岩の露出した45度のクーロワール上部をゲストをロワーリングし、滑降開始。
バックカントリースキーの領域を越えて、完全にスキーマンウンテニアリングの世界です。
こういうのがやりたかった!
9日間、ストレスとの戦いでしたが、もてるすべてを出せたと思います。
が、ミスを二つほどしました。
一つは、Wapta Icefiledでのこと。
前日から強風でウインドスラブが発達し視界は200mほど。斜度35度の沢状地形を登っており、
クレバスより雪崩の危険性が大きいと判断し、ロープを解除。

問題の斜面。中央のやや沢状になった斜面を登り、Bkaer colへと。
沢の左半分にウインドローディングしており、
右端は風に削剥され、積雪が薄い状況。
ハンドテストを複数回して、なおかつプローブしながら薄い斜面を避け、間隔をあけながら登行。
という結構シビアな状況。
が、ウインドスラブの不安定性を過剰評価してしまい、
それを避け、積雪の浅い地帯でリグループをしようとしたところ、
試験官にとめられました。
やはり、低温、浅い積雪に慣れていないため、リスクを低くみつもってしまう癖がでてしまいました。
積雪の浅い地帯がいかに危険かということで、その後のブリーフィングで例として出されたのが、
2003年、クレイグ・ケリーが亡くなったデュラン・グレイシャーの事故。
忘れもしません。
胸にたたき込まなければ。
その他、地図読みでマイナーなミス。
弱点が浮き彫りになり、今後の課題がみえてきました。
が、最後のインタビューでは嬉しい言葉も。
「今年はじめて公式にスノーボードを受けれたけど、
今回、見せてくれたスキルはスキーと比べても全く問題なかった。
ユウスケが見せてくれたスキルが間違いなくスノーボード・ガイディングのスタンダードになると思うよ。
そういうふうに委員会と理事にレターを書いておく。」
とのこと。
やった!
結果は二週間後発表ですが、少なくともスノーボードだから、という理由でNGにはならない!
仮にもし不合格であっても、それは僕の一ガイドとしてのリスクマネジメントの問題ということになります。
スノーボーダーとしても面目は保てたということ! ふう。
しかも、今回はあえてスノーボードモードにコダワリ、
期間中、スキーモードで滑ったのはセラックの下での登りトラバースが必要だった一ピッチだけ。
そこだけはどうしても安全性を担保するため、スキーモードで移動しました。
特に4日目のMt.NiblockではTop to Bottom、山頂直下からハイウェイまでスノーボード・モード!
一人だけスノーボードで、スキーヤーをガイドするのは爽快だったなあ。
今回のチャレンジにあたり、本当に様々な方々にご支援いただき、お世話になりました。
結果が出ないうちではありますが、この場を借りて御礼をば。
ウエア全般 モンベル社
www.montbell.com まだまだ無名のバムの頃(今もですが)からサポートしていただいており、本当に感謝です。
北米でもモンベルの評判は非常に高く、ガイドも寝袋や軽量の化繊ジャケットなど多数使用しています。
まわりのカナダ人がみんなアークテリクス着ているから、日本人はモンベルでしょう!
気分的には勝手にグローバルチームメンバーです(笑
ゴーグル、ヘルメット、ギア類 キャラバン社
http://www.caravan-web.com/ ZEALのゴーグル、CAMPのヘルメットなど。CAMPのPULSEはクライミングとスキー両方に使えて非常に便利。
軽量なのも素晴らしい!
アバランチ・ビーコン Mammut Pulse Barryvox
www.mammut.jp ファームウエアをアップデートし3.2に変更。おかげで、ビーコンテストは全くストレスに感じませんでした。
4つのビーコンをプローブで特定し、そのうち1.5mに埋没しているものを二つ掘り出すのに、試験では、
7分32秒。そのうち、はじめにレスキューを呼んだり、無線交信にてまどった時間をぬけば、実際は6分位。
が、それは僕の技術というより、PULSEのおかげです(笑
ラボラトリズム
http://www.laboratorism.com/ グローブを提供していただきました。モンベルの手袋と合わせて併用。
またディレクターのSさんには昨年のカナダ・トレーニングにつきあっていただきました。
有り難うございます!
BANYA Craft http://homepage3.nifty.com/powder/ スプリットボードのセッティングをしていただきました。
今回のセッティングができたのは、このバンヤの松原さんのおかげです。
おそらく日本でこの加工とアイデアが思いつけたのはここだけでしょう。
Sunrise Hill http://www.sunrisehill.co.jp/セッティング後のソールのチューンをしていただきました。
店長の小林さんは、僕がまだ白馬でテールガイドをしている頃からスプリットを乗りこなしていた、
筋金入りのスプリット・ボーダーです。
その他、数限りない方々に有形、無形のご支援をいただきました。
有り難うございます。
どういう形かはわかりませんが、いつかお返しができるよう、
励んでまいります。
まだ、結果がでてないうちですが。。
また、今回仮に不合格だったとしても、
それは、それでラッキーでもあります。
最終的な目標はカナダで国際山岳ガイドになり、スノーボードを片手に
世界をマタタビ・ガイドをすること。
最悪なのは、自分のミスを改善できずに、雪崩地形で危険な仕事をしてしまうこと。
この世界で生涯にわたってキャリアをつみ、生き残るのは容易な事ではありません。
この年になっても、継続的な学びの機会を頂けたことを感謝いたします。
さて、これからネルソン経由で、コースト方面へ。
ウィスラーで渡辺雄太、佐々木悠、たちと合流し、
さらに北をめざし、ワッディントン・レンジにいってきます。
今回はフォトグラファー兼セイフティガイドとして。
同じく、世界を転戦する同志たちとヘリインでベースキャンプをはり、
2週間を過ごしてきます。
有り難うございました。
廣田勇介 / FYG

Chika boot-packing up Dais couloir, Mt.Waddington in 2010.